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妊娠中の男性目線の労り方

妊婦さんの心身の変化に合わせて男性ができることを妊娠時期ごとに説明します。
また、父親となる男性も「産後うつ」になる可能性があることを知っておきましょう。

妊娠初期(妊娠1〜4ヶ月)

妊娠初期のこの時期、お腹の膨らみはなくても体内では大きな変化が起きています。
卵胞ホルモンや黄体ホルモンが大量に分泌されることで、気分の落ち込みやイライラが増すことがあります。まずは、妊娠への不安や葛藤を傾聴し、理解と共感に努めるとともに、生活や仕事時間を見 直し、パートナーのサポートができる体制を整えておきましょう。

妊娠初期に平均で約15%が流産となります。定期的に受診し、気になる症状がある場合はかかりつけ医に確認しましょう。
また、50〜80%と多くの妊婦さんがつわりを経験します。食欲不振、だるさ等の症状が出ることもあるので、妊婦さんの家事負担を軽減できるように協力しましょう。水も飲めない場合や5%以上体重が減る場合には受診が必要です。

妊娠全期を通して不安が強くなり、気分が大きく落ち込み、日常生活に支障が生じることがあります。体調の変化だけでなく、メンタル面で気になる変化や症状にも気がつくことが大切です。かかりつけ医に相談し、ためらわず心療内科などの専門機関を受診できるようにしましょう。

(参考)
·妊娠中の心身の変化(初期)

妊娠中の変化(初期)

妊娠中期(妊娠5〜7ヶ月)

中期に入ると一般的につわりが落ち着き、妊娠20週頃からは胎動を感じることが増え、お腹も膨らみが目立ってきます。動きにくくなるため、積極的に家事を分担し、妊婦健診等の外出時の送迎や付き添いを心がけましょう。

いわゆる「安定期」にあたりますが、「心配なことは起きない」という意味ではなく、「胎盤が完成して子宮内環境が安定する時期」という意味です。トラブルは妊娠中いつでも起こり得るため、無理して働いたり旅行したりするのはお勧めしません。お腹が頻回に張る、腹痛や不正出血がある、ひどいむくみなどの症状がみられた場合は、受診が必要です。

(参考)
·妊娠中の心身の変化(中期)

妊娠中の変化(中期)

妊娠後期(妊娠8〜10ヶ月)

お腹が前に迫り出してきて、かがみにくい、腹部の圧迫によりどんな姿勢でも苦しい、眠りづらいといった症状がでてきます。他にも、頻尿や尿漏れ、腰痛・股関節痛などのマイナートラブルが増えます。お腹の張りも出てくるので、妊婦さんが辛くならず、休息がとれる様な生活を心がけましょう。出産に向けて、陣痛タクシーの登録など、破水・陣痛が起きたらどうするか確認・準備しておきましょう。

ベビー用品や産後ケアなどの情報収集や準備は、男性でも可能です。産後はバタバタするので、妊娠中は2人の時間を大切にして、よく話し合って事前に準備するのがお勧めです。

(参考)
·妊娠中の心身の変化(後期)

妊娠中の変化(後期)

他に知っておいて欲しいこととして「男性の産後うつ」があります。12人に1人程度が発症するもので、産後3~6ヶ月に最もリスクが高まるというデータがあります。気分が落ち込みがちになったり、これまでの趣味が楽しめなくなってきたら要注意です。家族や友人に気持ちを打ち明け、必要なら心療内科など専門機関を受診しましょう。どうか1人で抱え込まないでくださいね。

悩む男性

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執筆者プロフィール

重見大介先生の写真

重見大介しげみ だいすけ

産婦人科オンライン代表

全国の自治体、企業向けにオンラインでの医療相談を提供する

「産婦人科オンライン」の創業から参画

経歴
  1. 産婦人科専門医
  2. 医学博士
  3. 公衆衛生学博士
  4. 日本小児科学会成育基本法推進委員会 委員
  5. 日本医学大学 非常勤講師

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