女性、男性にも知ってもらいたいプレコンセプションケアのこと。
「かながわプレコン相談/産婦人科オンライン」の重見大介先生に、プレコンセプションケアについて詳しく教えていただきました。
妊娠前にぜひ知っておいてほしい知識として、妊娠すると身体がどう変化していくか、体調にどんな変化が起こりやすいか、気を付けなければいけないこと、などをお伝えします。
妊娠時期は初期、中期、後期に分かれますので、順に説明していきます。
まず、妊娠週数と妊娠月数の数え方について理解しておきましょう。これらは妊娠の経過を数える単位のことで、妊娠週数は「◯週◯日」、妊娠月数は「◯ヶ月」と表現します。
「月数」で数える場合は、妊娠4週ごと(28日ごと)に1ヶ月とするため、「妊娠0~3週」を「妊娠1ヶ月」、「妊娠4~7週」を「妊娠2ヶ月」と数えます。
妊娠は「妊娠前の最終月経初日」を「妊娠0週0日」にします。通常は月経初日から約2週間後に排卵が起こります。ここで受精・着床した場合には、次の月経は来ず妊娠が成立したということになります。
では、妊娠初期は身体にどのような変化が起きるのでしょうか。
妊娠1ヶ⽉では、⼦宮の⼤きさは普段と変わらず6∼7cmほどで、まだほとんど変化は起きず⾃覚のない時期です。このため、妊活中や妊娠の可能性がある場合には胎児(⽣まれる前の⾚ちゃん)への影響を避けるため、服薬や飲酒に気をつけなければなりません。葉酸を摂取している場合には、やめる必要はありません。
なお、排卵から数⽇後に受精卵が⼦宮内膜に着床する際、微量の出⾎をすることがあります。これを⽉経だと勘違いする⼈もいます。普段の⽉経と時期や量が違う場合には妊娠の可能性があるので、妊娠検査薬での確認も検討しましょう。
妊娠2∼3ヶ⽉は、予定の⽉経が来ないことで、多くの⼈が妊娠に気付く時期です。妊娠に気が付いたら早めに産婦⼈科に受診をして、お住まいの市町村に妊娠届を出して、⺟⼦健康⼿帳(⺟⼦⼿帳)をもらいましょう。お腹はまだほとんど膨らみませんが、吐き気、嘔吐、⾷欲不振などのつわり症状が出てくる⼈もいますので、体調の変化に合わせて仕事や⽣活の調整をしましょう。また、突然の妊娠がわかり動揺してしまう、無事に出産できるかなどの不安を抱える⽅も少なくないため、受診する産婦⼈科の先⽣に不安な点は相談し、パートナーやご家族にもこの時期の体調不良や不安について理解をしてもらうと良いでしょう。
妊娠3ヶ⽉頃には胎児の⼼拍が確認できるようになり、顔や胴体なども⾒分けられるようになってきます。
妊娠4ヶ月になると、胎児に栄養を送る胎盤が子宮内で完成してくる時期となります。いわゆる「安定期」が近づいて、つわり症状が徐々に落ち着いてくることが多いです(ただし個人差あり)。子宮は幼児の頭部くらいの大きさになり、お腹も膨らみがわかりやすくなります。 体調や体力を考慮しながら、軽い運動を始めていくことをぜひ検討してみてください。妊娠中にも継続的に運動習慣を保つことで、合併症の予防や帝王切開になるリスクを減らすことにつながります。
産婦人科オンライン代表
全国の自治体、企業向けにオンラインでの医療相談を提供する
「産婦人科オンライン」の創業から参画